木材は、樹種によって見た目から耐久性まで、それぞれ違った特徴があります。
木材選びシリーズで、今回は「カラマツ」のご紹介です。
日本で唯一、落葉する針葉樹で、日本固有の樹種でもあります。
日本は孤島であるがため、日本特有の樹種も多いです。
カラマツは硬いので、ハンドメイドやDIYで使ってみたい人は、少々苦戦するやもしれません。
目次
カラマツ(Larix kaempferi)とは
日本固有の樹種で、マツ科カラマツ属の落葉針葉樹です。
漢字では「唐松」と書きますが、落葉するので、ストレートに「落葉松」と書いてカラマツと読むこともあります。
マツの木材でよく見かけるのはパイン材ですが、主に北米産のマツを差し、ホームセンターで売られているパイン材はこれです。
50種類以上ある種類があるがため、マツを区別するために産地によって名前を区別しているのだそうです。
ちなみに日本の松はパイン材に属せず、「アカマツ」や「クロマツ」は日本では地松っとして扱われ、カラマツはそのまま「カラマツ材」っとして販売されています。
カラマツは樹形が美しく、柔らかい感じがしますが、木材としては重硬で荒々しいので取り扱いが難しい木材となっています。
カラマツの特徴
- 針葉樹の木材では高い硬度
- ヒノキに次ぐ防腐性
- 木材としてのカラマツの色
- 経年変化で独特な赤みを帯びる
針葉樹の木材では高い硬度
北海道、東北地方、長野県など冷涼な涼しい環境で育つカラマツは、針葉樹の木材としては硬く丈夫で耐久性、耐湿性にも優れているのが特徴です。
年輪の詰まったカラマツは神社仏閣をはじめ名建築を支える構造材として重用されてきました。
ヒノキよりも硬く粘り気があるので、現在ではカラマツ材の需要が伸びて生きています。
ヒノキに次ぐ防腐性
腐りにくい木材で有名なのがヒノキ。
木は、元々細菌などの繁殖を抑えるためにフィットンチッドなどをだして、菌の活動を抑えています。
カラマツも針葉樹なので、フィットンチッドを出し、また、樹脂分が多いことから耐水性・耐朽性が高く、建築材でも特に土台や土木用材、杭木、などに重宝されています。
木材としてのカラマツの色
心材の色は褐色ですが、心材は褐色で辺材はやや白味がかっており、年輪もくっきりと浮かび上がっています。
カントリー調から和風の空間でもマッチする色合いです。
経年変化で温かな印象へ
若い間は、比較的淡色で、脂気を多く含んでいます。
しかし、経年変化によって木肌が赤味がかった色に変化し、樹脂油によってつややかな印象になっていきます。
カラマツは独特な風合いが味で、温か印象になるのが特徴です。
カラマツ材のデメリット
- カラマツは割れや狂い(捻じれ)が生じやすい
- 松脂の取り扱いが難しい
カラマツは割れや狂い(ねじれ)が生じやすい
木の中心部分の木材では、木の成長の過程から木部の繊維が少し荒いです。
それにも伴って、乾燥による伸縮が激しく、よく乾燥させないと割れや狂いが生じます。
カラマツは積雪の多い場所でも曲りが少なく、まっすぐに立っていられる一方、木材として使う場合は、しっかり乾燥する必要が出ていきます。
現代では乾燥材や製材技術の発達で、ねじれを克服し、安定した木材が流通しています。
脂(ヤニ)の取り扱いが難しい
カラマツは脂(ヤニ)が多い樹木です。
ヤニは、木目の割れ目からとどんどん溢れてでてくるので、脂スポットならぬ「ヤニツボ」っと呼ばれています。
「ヤニツボ」とは木の成長には、冬の成長速度(遅材)、と夏の成長速度(早材)がありますが、その間にひび割れが生じた時に、樹木の粘液が溜まったところを言います。
マツ科の木材はとくにこのヤニツボができやすく、ヤニを手で触るとべたべたして、手を洗ってもなかなか落ちません。
ホームセンターなどでもマツ材の周囲ではヤニに注意してくださいっと書いてあるほどです。
このヤニの取り扱いが難点で建築用材として避けられることがあります。
カラマツは独特の風合いと風格が決めて
カラマツは腐りにくい木材で、枕木などにも使用されている程なので、ウッドデッキにも最適です。
重厚感があるので、風格を出したいときなどにはうってつけで、ヒノキのように、木肌が白い木材が気に食わないなら、カラマツを使ってみても良いかもしれません。
(塗装すれば良い話しですが・・。)
カラマツの赤みのある風合いは独特なので、自然の風合いを尊重しながら、木材の味をかみしめることができます。
この木材選びシリーズでは、木材にはどんな種類があるの?
っという事に焦点をあてながら、海外の木材、ウォールナットやチークも良いけど、やっぱり日本製って良いよね。
そういう人が増えれば良いと思います。