スギは日本を代表とする樹種です。
日本固有の樹木なので、日本人にもなじみ深いです。
スギっといえば、花粉症というように、スギへのイメージはあまりよろしくないですが、スギ材は建築資材としては重宝されています。
そんなスギですが、知ってるようで知らない魅力があるのでは?っと思い、木材としてのスギはどこが良いの?っという疑問に迫りたいと思います。
目次
スギの基本知識
スギはヒノキ科 スギ属のの常緑針葉樹で、英語ではcryptomeria japonicaと表記されるように日本の木です。
主に本州・四国・九州に分布しています。
スギは加工がしやすく、古くから活用されている木材で、人々の暮らしを良くしてきた歴史があります。
ヒノキと同様、人工造林されいるスギがほとんどですが、秋田地方や屋久島などは天然スギの産地として有名なスギ材もあります。
スギの木材としての魅力
- 柔らかくて加工しやすい
- 耐水性がある
- 耐朽性がある
- 木目がはっきりとして美しい
- しなやかなので力を逃がしやすい
柔らかくて加工しやすい
スギ材は針葉樹のため、木目が詰まってなく、空気をよく含んでいるため、温かみがあり柔らかな質感が心地良いです。
木部は柔らかいですが、捻じれや反りがおきにくく加工も簡単で、乾燥すると軽くなるので使い勝手も良いです。
また縦に割れやすいため、薄い板材にするような加工が容易で、のこぎりがなかった時代から多く、活用されてきました。
木部がしなやかなので、曲げに対する加工もしやすいです。
耐水性がある
スギ材は、昔から現在まで船材に採用されるくらいで加工性も良く耐水性能も高いです。
風呂桶などにも使われる程で、杉材は安いイメージがありますが、安い=耐久性が乏しいっということではありません。
耐朽性がある
特に、スギの心材は耐朽性が高いです。
これはスギは背を高く伸ばす性質からきていて、細胞そのものは死んでいるので、樹体を支えるためだけの部分っとなっており、硬く腐りにくい木質となっています。
一方辺材は柔らかく耐朽性はないので同じ木材でも使い勝手が違うので注意が必要です。
木目がはっきりして美しい
心材は桃色から濃赤褐色までかなり幅があり、カラーバリエーションが豊富です。
スギの心材(木の中心)と辺材の色ははっきりと分かれています。
また、夏目(明るい色)と冬目(暗い色)がはっきりした木目であるため美しい木目の模様を活かすことができます。
同じスギでも色々なスギを楽しむことができます。
しなやかなので力をうまく逃がしやすい
スギは柔らかな木質であるため、強度的には低い木材です。
しかし、伸縮性が良いので、力をうまく受け流してくれるのでそういった意味では強度があります。
スギの耐久性は植林地によって生育が大きく異なるので、スギの材質には注意が必要です。
ポキンっと折れる前に、しなってくれるので、柱などでは重宝されるのですね。
経年変化で深く落ち着いた印象に
基本的には白っぽい茶色をしていますが、経年で色合いが濃く深くなります。
また、木目が浮きあがってより鮮明になり、艶があまりないため、落ち着いた雰囲気によく合います。
スギは、木材から切り出した部分でも色合いは異なるので、それを楽しむのも良いですね。
基本的には安い
スギは、まっすぐ伸び、建築資材として使い勝手がよく、ホームセンターなどに行っても必ず置いてある木材です。
人工林として植林されてきた歴史もあるので、入手しやすく流通も安定しているので価格が安いです。
スギやヒノキはまっすぐのび、成長も早いのが特徴ですが、ある程度大きな太さに達するまではスギの方が早いので、ヒノキよりも安く取引されています。
しかし、心材や、きれいな木目の無節のスギ材、また、産地によってスギの品質は異なるので価格も違ってきます。
独特な芳香がある
針葉樹の多くは、「フィットンチッド」という独特な香りを出しますが、ヒノキほど香りは強くありません。
代わりにスギの香りには「セドロール」っという香り成分が多く含まれていて、高いリラックス効果があります。
セドロールはアロマでは睡眠の質がよくなる効果が期待されている香り成分です。
スギの扱いにくい部分
- 縦に割れやすい
- 節がでやすい
- 見た目の好みが分かれる
縦に割れやすい
スギは、色が濃く固い秋材(晩材)と、春新しくできる春材があって、その間で剥離しやすい性質を持ちます。
また、スギは水分を多く含んでいるので、乾燥させる際にもっとも割れやすいです。
縦に走っている繊維にそって縦割れが生じやすいので、注意が必要です。
節がでやすい
スギは節が出やすいです。
多くの枝を出して早く成長するため、仕方のないことですが、節ありは好みが分かれるところです。
見た目の好みが分かれる
スギは広葉樹の木材より木目の幅が広く、目が詰まっていないため、重厚感があまりありません。
また、木ががまっすぐで、躍動感がなく、軽い木質が安っぽくて見劣りすると感じる人もいます。
スギ材はジャパン品質を出しやすい?
スギって気にも留めていなかったのですが、身近な木材であるがこそ、ハンドメイド初心者でも手軽に取り組める木材です。
しかも、ホームセンターでも売っているので、入手もしやすく、なにより加工も難しくありません。
日本固有の樹種なので、日本人にもなじみ深く、ジャパン品質でよりよい物が作れるのではないでしょうか?
貴重な樹木は樹種の保存のため、伐採が避けられますが、スギは日本ではありすぎるほど豊富なので、スギ製品を使うと森林保全にも一役買う事ができます。
身近なものをより特別に感じたい。
海外の木材だと、ウォールナットやチークも良いけど、日本の木材もやっぱり良いです。