節のある木材は好きですか?
木製品は、節の有無で全体の表情が変わるので、節なしにするか、ありにするのか、悩みます。
木製品をハンドメイドする時、なぜか節無し材を探してしまいがちですが、節のある木材は木本来の姿なので、節があると、木の力強さをより強く感じます。
目次
「節(ふし)」ってあるといけないの?
木材を選ぶ時に気になるのは「節」の有無。
木には節っというものが存在しますが、節とは枝があった場所で、幹が大きくなるにつれて内部に巻き込まれてできたものです。
私は額縁などでは節があっても良いかな?っと思うのですが、節があると強度や見た目が汚らしくなることから敬遠する人も多いようです。
「節(ふし)」の種類や呼び方
- 生節(いきぶし)
- 死節(しにぶし)
- 抜け節(ぬけぶし)
- 流れ節(ながれぶし)
生節(いきぶし)
枝が生きている状態で幹に巻き込まれたものです。
周囲の木部の組織と生節はしっかり結合しているため、強度も落ちないと言われていますが、若干落ちるという説もあります。
節は基本的に硬いので、節の部分の加工が難しく、乾燥によってひび割れが生じます。
死節(しにぶし)
枝の成長が止まり、そのまま幹に巻き込まれている状態です。
節はすでに死んでいて、幹に巻き込まれているので、周囲の組織とは結合していません。
そのため、物によっては節だけが抜け落ちてしまう場合があり、強度が落ちる可能性があるので、建築業界では節のある木材の評価は低いです。
「死に節」→「抜け節」
抜け落ちてしまった節を「抜け節」っと呼ぶ事もあります。
抜けた穴をふさぐために「埋木(うめき)」をする場合ががありますが、周りの木目と違って違和感があり、また、技術も必要になってきます。
流れ節(ながれぶし)
板(特に柾目によく見られる)を製材したときに、 節が斜めに切断されて見える節を、流れ節と呼びます。
柾目とは年輪が平行になっている木目を柾目といいます。
圧縮や反りなどの狂いが生じにくいというメリットがあります。
節ありの木材は価格が低い
節ありの木材は基本的に価格が安いです。
それは、死節や抜け節がある木材は、強度が落ちることから、建築資材としての利用価値が低くなるからです。
節がある部分は黒く汚れて見えるため、とくに木肌が白っぽい木材では汚らしく見えてしまいます。
しかし、現代の節あり材は個性の一部
昔は節のある部分は、不良だと考えられていて、目視できる部分には使われませんでした。
しかし、現代では加工技術の向上があり、節や穴がある木材も個性として、味のある家具や、木製品として作られています。
節が大きい木材は、その木が強く、長い年月を経て大きく育った歴史でもあります。
節もデザインの一部として取り入れられている木製品は、「木」本来の姿であり、ありのままの木の良さを感じ、味わい深いです。
節の有無は使いどころを見極めるのが大事
デザイン的に節が多少あっても気にならない人、やっぱり無節の木材が好き、人それぞれ好みがあります。
やはり、加工のしやすさや見た目の統一感をとってしまうと節ありの木材は敬遠されてしまいます。
しかし、節も要は使いどころです。
フローリングに使われる無垢材は、キズが付きやすいことからあえて節ありのフローリングにすることで、新たについたキズが目立たないように取り入れる人もいます。
アンティーク調の木製品は、節ありの木材が使われることで全体的に深み出て良い感じですよね。
無節の木材は、整った印象が出ますが、アクセントに欠ける部分もでてきます。
節の良さを生かして、要所要所で使いどころを見極めることも大切なんだと感じます。
節のある木材はハンドメイドだからこそ需要がある
木は生き物です。
乾燥によってひび割れたり、節が抜け落ちたり、天然木だからこそ、扱いにくい物ですが、木にしか出せない味があります。
木製品は使用される木材の木目や節の有無によって顔色が全く変わります。
ハンドメイドだからこそ、節が生かせる位置に配置できたり、深みが出るもって結構あると思います。
例えば、切株のカードスタンドとか、節があった方が良い製品や節の付け所など、センスが問われる分、ハンドメイドの方が融通が利いたり、味が出せるものではないでしょうか?